鳶・土工の仕事は、
一般的にはあまり注目されることのない裏方だ。
けれど、どんな高層ビルも巨大施設も
我々の仕事無くしては完成しない。
というより、始まりすらしない。

鳶は、まだ何もない真っさらな建設地に
誰よりも早く乗り込み、
仮囲いし、足場を組み、
みなが安全に作業できる現場の下地を整える。
クレーンを使って巨大な鉄骨の骨組みを築き、
土工はコンクリートを打設して、
建物の基礎となる構造体を作り上げる。
何ヶ月にも及ぶプロジェクトの口火を切り、
その成功を左右すると言っても過言ではない、
技術と経験がモノを言う、
欠くことのできない専門職なのだ。

ついに建物が完成し、多くの人がその壮大で美しい姿を目にしても、
誰も我々の足跡を見ることはできない。
けれどそこには、我々の技術とこだわりが確かに息づき、
住まう人、訪れる人の人生を末長く彩り続ける。

揺るがぬ誇りを胸に、今日も地上数百メートルの現場へ。
さあ、誰よりも早く、誰よりも高く。

見上げれば、そこに。